究極.映えのタピオカ写真をめざす話
タピオカミルクティー。
スイーツである。いまの日本の若い女性たちの間で流行するスイーツだ。
それも容器を持ち歩くだけでファッションの一部としても
アピールできるというのは驚きだ。
タピオカを楽しめる関連店も増えているらしく、
通い慣れた街中には見慣れぬ名前のカフェが生まれている。
たいてい店のレジ前にはお客が列を作って並んでおり、
新たな食文化として根ざす勢いだ。
で、あるからこそブームの裏側で起こりがちな弊害。
記事で目にしたのは、飲みきれないタピオカ飲料を
道端にポイ捨てされているというものだ。
紹介する現場風景の写真には、
中身のタピとティーがたっぷり残るカップの数々が写る。
ときどき問題視される話題として、
消費者が流行にあやかり買ったはいいが、持て余して捨てるやつである。
これが食べ物だったり、動物だったりすると後味の悪さがこみ上げる。
ポイされる原因は無論、一部の消費者のマナー意識欠如にあるわけだが、
それに拍車をかけるのが「飲み歩き」するとして
街中でカップを捨てづらいというのもあるだろう。
自販機の脇にあるごみ箱。空き缶とペットボトル、たまに空き瓶。
この3種専用のごみ箱の設置が大半だ。
タピオカを満たすのはプラスチックのコップ。
わざわざ「燃えないゴミ」専用のごみ箱を探して捨てるのが
面倒くさいからポイ捨てする心理があるなら、その心意気0点である。
空き缶専用のごみ箱の口にカップをシュートして塞ぐヤカラも0点。
そこで考えた。
どうしたらミルクティーのカップがポイ捨てされずに有効活用されるだろうかと。
カップ自体はオシャレのアイコンとして利用されている。
カップを写した写真をSNSに上げる流行がすでにある。
タピオカの容器にオシャレの価値があるなら、それを応用する手はないではないか。
このヒントをもとに関連して浮かぶもの。それは。
iichiko(いいちこ)の広告写真だ。
三和酒類が販売する麦焼酎の銘柄。
宣伝する写真を多くの人が目にしたことがあると思う。
たとえば地下鉄の通路で。商業施設のなかで。
ナショナルジオグラフィックの見開きページで。
写っているのは雄大な自然の景色のなかにポツンと置かれる
1本の「いいちこ」のボトル。
その対比の構図が、そっけなさ全開のボトルの存在感を
逆に色鮮やかに訴えてくる素晴らしい仕上がりだ。
添えられる詩の一節もまたいいっ!!
この写真に映えるボトルのように
タピオカミルクティーの空きカップを演出すればどうだろう
フォトジェニック効果は抜群。
カップの利用価値は跳ね上がり、不法ポイ捨てして連中は、
自らの行いの恥ずかしさのあまりに自ずと悶死。
検証のためにもまずはタピオカを用意しなくてはならない。
向かったお店は最近見かける機会が増えたティーカフェ店
「Gong Cha ゴンチャ」。
ネットで見るのですが男の人がタピオカを一人で買うために列に並ぶ、
これがとても恥ずかしいという記事を読んだことがあります。
とても共感できる気持ちです。
でも普通に並んで買いました。
買ったのは「ブラックミルクティー+パール」
パール?パールってなんだ?
一応タピオカって記載してあるが念のためググってしまったではないか。
初めてのタピオカドリンク。
ここで食レポをしても話は脱線する一方なので割愛しよう。
タピオカはおいしく頂きました。
このカップを再利用するわけである。もちろん中身はちゃんと洗います。
ちゃんと洗ったのちは、目的地に辿りつくまではカバンの奥底にしまいます。
これで空いた片手にカップを握りしめて、町中を歩いたら最期、
かわいい女子とは自分が異なる人種である「事実」を、
冷たい視線という魔女狩りに遭い思い知ることになるだろう。
とりあえず近所の公園風景をカメラに収めてきたぜ。
ベンチにさりげなく置かれたタピオカドリンクの容器。
こうしてみると太いストローが良いアクセントになっている。
即興で考えたそれっぽいポエムを挟み込んで
「Gong cha」の字を入れれば、なんとういうことでしょう。
あっというまにiichiko化。
すなわち「イイチカライズ」されたフォトの完成だ。
いかがだろうか。
殺風景な人気のない風景も「イイチカライズ」することによって、
たちまち味のある?写真が完成する。
しかも驚くことに何枚の作品を作るにしても
必要な空カップはたったのひとつで足りるのである。
これはコスパ的にも魅力がある。
映える素材選びに公園だけではつまらない。
そこで思いついたのは神社とタピオカのハーモニー。
選んだのは千代田区にある日枝神社だ。
これを機に初めて訪れた日枝神社。最寄り駅の溜池山王駅。
すぐそばに位置するのはニュース番組でよく見る建物。首相官邸だ。
そしてそうこれ。これが撮りたかった。
たくさんの鳥居が並んでいる階段が見られるというので来てみたが、
想像以上に壮観であった。
稲荷参道の千本鳥居。
この階段に置かれたタピオカのカップ。
鳥居のみずみずしい赤との対比が独特な光景になっている。
撮影のコツとしては、いかに不審者と思われないようにか気を配ることだ。
間違っても空のタピオカップに一眼レフを向ける姿をさらして
痛々しい奴だと他の参拝者たちに引かれるわけにはいかない。
こうした点を気をつければ、だれでも「イイチカライズ」した
作品を作ることができるわけである。
いかがだろうか。
以上がタピオカップの有効な活用方法だ。
この活動が認知されればカップがポイ捨てされる頻度も減るはずだ。
みんなもカップを洗って山へ、海へ、街へ行こう。